卒業式で巣立ちのことばを述べる卒業生荒浜に子どもたちが戻ってきました。3月19日、荒浜小学校の卒業式が、復旧工事を終えた本校体育館で行われ、6年生37人が本来の学び舎から巣立ちました。

式辞で齋藤博校長は「静かに目を閉じてください。どんな音が聞こえますか?私には復興の槌音が聞こえます。荒浜漁港では大きな浚せつ船が作業を進め、海苔の加工工場も新しく操業をはじめました。いちご団地の建設や防潮堤の工事も進んでいます。自分の人生を切り開くのはみなさん自身です。亘理町の復興計画は、あと8年です。8年後みなさんは20歳の成人となります。これからの亘理町の復興は、みなさんの肩にかかっているといっても、言い過ぎではありません。校庭には津波に負けないで、残った桜の木が立っています。ここ荒浜の地を歩いて次の言葉を見つけました。〝私は負けない。ここ荒浜に生きる〟。困難なできごとがあっても、決してあきらめない強い心を持って、自分の道を切り開いていってください」と述べました。

また、齋藤邦男町長は「大変なときでも、明るく元気に学校へ通った強い気持ちを持ったみなさんです。辛かったことをバネにして中学校生活に新しい目標を持って向かっていこうという決意が伺われ、とても頼もしく思っています」と述べました。

荒浜小学校の児童は、震災から2年間、逢隈小学校で逢隈の子どもたちと一つ屋根の下で学習してきました。慣れない学校生活で大変なことも多くあった反面、運動会など、さまざまな機会を通して児童相互の交流を深めることもできました。

新年度から荒浜小学校が再校します。スクールバスの運行や、校舎西側に荒浜児童館(仮設)が建設され、学童保育の受入体制も整いました。そして、学校では防災主幹教諭を中心に地域の方々とともに、自分の命を自分で守るための行動や判断力を養う防災教育に力を入れることにしています。

卒業証書を受け取る卒業生卒業式の日、紅白幕の張られた体育館に、地元住民有志によって大漁旗と「おかえり荒小生」と書かれた横断幕も張られ、いかに地域が学校再開を待ち望んでいたかが伺えます。卒業式の式辞のなかで齋藤校長は「4月からこの荒浜の地で、新たしい学校生活が始まります。震災を乗り越える学校にしようと、今先生方が懸命に準備をしています。在校生のみなさんからもアイデアをたくさん出してください。一緒に新しい荒浜小学校を創っていきましょう」と呼びかけました。