○亘理町各種基金における債券運用に関する要綱
令和3年3月31日
告示第46号
(趣旨)
第1条 この要綱は、亘理町が地方自治法(昭和22年法律第67号)第241条の規定に基づき、設置している基金の債券による運用を行うにあたり、亘理町公金管理方針に定めるもののほか、債券の取得、管理及び処分に関する指針及び手続きについて、必要な事項を定める。
(1) 債券 満期まで20年以内の国債、地方債、政府保証債、財投機関債、地方公共団体金融機構債、電力債の新発債及び既発債をいう。
(2) 債券の取得 債券を購入することをいう。
(3) 債券の処分 債券を売却することをいう。
(4) 売り現先取引 取得済みの債券を買戻しの時期を約束して証券会社に売り渡すことをいう。
(5) 利回り 表面利率を額面と取得価格の差額で調整した最終利益率をいう。
(6) 売却益 債券が元本より高く売れた場合の差額をいう。
(7) 額面超過額 額面より取得額が高い場合の差額をいう。
(8) 経過利息 既発債を購入した時点までの未払い利息をいう。
(取得資金)
第3条 債券を取得するための資金は、保管している基金に属する現金のうち、指定金融機関及び収納代理金融機関に預入している額を除いた余裕資金とする。
(運用の基本原則)
第4条 債券の取得及び処分にあたっては、基金の分散管理等による安全性と運用上の有利性が高度に両立する場合でなければならない。
2 債券の運用にあたっては、次に掲げる原則に従うものとする。
原則 | 内容 |
安全性の確保 | ・元本の安全性の確保を最重要視し、基金元本が損なわれることを避けるため、安全な金融商品により保管及び運用を行うこと。 ・債券の適切な分散購入に努め、特定の債券の保有量が偏重しないよう必要な配慮を行うこと。 |
流動性の確保 | ・支払い等に支障をきたさないよう、必要となる資金を確保するとともに、想定外の資金需要に備え、資金の流動性を常に確保すること。 |
効率性の追求 | ・安全性及び流動性を充分確保したうえで、運用収益の最大化を図り、かつ、効率的な資金調達に努めること。 |
(債券運用商品)
第5条 債券の運用は、第2条第1号に規定するものにより行うものとする。
(債券の購入先の選定等)
第6条 債券の購入先の選定にあたっては、債券の保有状況、選定時の金利動向等に留意しながら、競争性に優れた引合方式または機動性に優れた相対方式のうち、選定時においてより効率性の高い方式を用いるものとする。
(債券の取得)
第7条 債券の取得の手続きは、前条の規定による債券の購入先の選定に加え、当該債券の取引量、当該債券の情報内容の適時性を考慮のうえ、迅速かつ柔軟に対応することとし、次に掲げる機関から選択するものとする。
(1) 指定金融機関及び収納代理金融機関
(2) 県内に営業店舗を有し、かつ、地方公共団体の債券運用に高度な実績があり、債券運用に最適な支援を行うことができる証券会社
(債券運用期間)
第8条 債券の運用は、各々の基金の設置目的並びに積立て及び取崩しの計画等を勘案しながら、20年以内を限度とした複数会計年度にわたり行うことができる。ただし、定額運用基金については、この限りではない。
(債券の処分)
第9条 債券を保有する期間は、保有する金融商品の各々の満期または期限まで保有することを原則とする。ただし、次の各号に該当する場合にあっては、保有する金融商品を処分することができる。
(1) 安全性を確保するために必要であると判断される場合
(2) 流動性を確保するために必要であると判断される場合
(3) 第14条に規定する債券の収益性評価を行った結果、安全性を確保しつつ、効率性が向上されることが認められるため、保有する金融商品の入替えを行うことが有利であると判断される場合
(売り現先取引による資金確保)
第10条 短期の資金繰りに必要と認められた場合は、取得済み債券の売り現先取引を通じて、資金確保することができるものとする。
(リスク管理)
第11条 債券はその時々の金利水準等により相対的に価値が上下し、取得又は処分に際し額面よりも高く又は安く取引される性質があるため、利回りや売却益などを包括的に管理し、額面超過額や経過利息の償却を行いながら、可能な限り有利な運用に努めなければならない。
(債券の償還差損益等の処理)
第12条 債券の償還差損益等の処理は、別表1のとおりとする。
(債券台帳)
第13条 債券運用を行う場合は、次の表の左欄に掲げる区分に応じ、それぞれ右欄に掲げる事項を記載した債券台帳を整備するものとする。
債券を購入したとき | 銘柄、約定日、発行日、受渡日、額面、償還日、利払日、購入価格、経過利息、購入単価、クーポン(表面利率)、利回り、発注業者その他必要な事項 |
債券を売却したとき | 約定日、受渡日、売却価格、売却単価、経過利息、所有期間利回り、発注業者、売却理由その他必要な事項 |
(債券の収益性の評価基準)
第14条 債券の収益性の評価は、保有期間を通じた利回りの多寡によるものとする。
2 債券の入替えを行う場合は、新たに取得する債券の保有期間利回りを含めて収益性の評価を行う。
3 保有期間の利回りの計算は、別表2のとおりとする。
(運用益)
第15条 債券の利回り及び売却益は取得資金に帰属するが、複数の基金を元本とする運用益の配分は、当該基金元本の割合で按分し、各基金に配分するものとする。
(その他)
第16条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この告示は、令和3年4月1日から施行する。
附則(令和5年9月1日告示第126号)
この告示は、令和5年9月1日から施行する。
別表1(第12条関係)
区分 | 処理方法 |
経過利息 | ・最初の受取利息から経過利息に相当する金額を直接基金に充当し、債券の帳簿価格を減じる。 ・残利息は、当該年度の運用益として処理する。 |
償還差益(アンダーパー) | ・満期償還日の属する年度において、償還差益として処理する。 ・毎年度の受取利息は、そのまま運用益として処理する。 |
償還差損(オーバーパー) | ・購入時に算定される差損を償還期間までの各年度において、均等に分割する。 ・毎年度の受取利息から、当該差損に相当する金額を直接基金に充当し、債券の帳簿価格から当該差損に相当する金額を減じる。 ・残利息は、毎年度の運用益として処理する。 |
売却益 | ・売却日の属する年度において、当該売却益として処理する。 |
売却損 | ・売却日の属する年度において、当該売却損に相当する金額を基金から減じる。 |
別表2(第14条関係)
保有期間利回り(%)=〔{表面利率+(売却価格-購入価格)÷保有期間}÷購入価格〕×100 |