亘理の早春を彩る旬の味覚 ほっきめしを頬張ろう!
刺身や鮨ネタなど様々な食べ方で親しまれている亘理の名産『ほっき貝』。他地域のものと比べて身が厚く柔らかいのが特徴です。冬から早春の亘理を彩る欠かせない食材となっていて、貝が子どもを持つ2月下旬が最も美味しいといわれています。この時季の亘理のグルメといえば、宮城の郷土料理にも名を連ねている「ほっきめし」です。ほっき貝の身や内臓を煮込んだ煮汁でご飯を炊き、切り分けた身を盛りつけた「ほっきめし」は、噛むほどに広がるほっき貝独特の甘味はもちろん、貝の旨みが染み込んだご飯との相性も抜群です。
そんな「ほっきめし」の美味しさを伝え、県外からも多くの人たちが訪れているのが『鳥の海 浜寿し』です。「貝は新鮮さが命。うちでは当日に仕入れたほっき貝をその日のうちに剥いて、お客さまに提供しています。」と店主の太田政志さん。貝剥きにもこだわりがあり、持ちやすいように加工した自作の貝剥き器を使用して手早く処理していきます。ほっき貝というとピンク色のイメージがありますが、剥いたままの状態ではまだ色はなく、煮立てた煮汁にくぐらせると色がつきます。「煮汁は継ぎ足しながら使っています。身の厚さなどを見て、硬くならないよう一つひとつ時間を調整しながら煮ています。」(太田さん)。煮あがった3個のほっき貝を細く切り分け、ほっき貝の煮汁で炊き上げたご飯の上に、花びらのように飾ったら完成です。亘理町内でほっきめしを食べられる店舗は約20軒。「店によって味わいが違いますね。」(太田さん)ということなので、食べ比べをしてみるのも楽しいかもしれません。
自家製の貝剥き器を使い、鮮やかな手さばきでほっき貝を開いていきます。
煮たてた煮汁に15~20秒くぐらせるとほっき貝が見慣れたピンク色に変わっていきます。
鳥の海 浜寿し 店主 太田 政志さん
寿司と季節の郷土料理『鳥の海 浜寿し』店主。18歳から和食と寿司の修行を重ね、旬のネタを使った美味しい寿司はもちろん、「ほっきめし」や「はらこめし」など亘理の郷土料理を提供。人気を博しています。「美味しいと言ってもらうことが一番嬉しい」と語る気さくな人柄の親方です。
寿司と季節の郷土料理 鳥の海 浜寿し | 住所 亘理町逢隈田沢字早川18-2 TEL 0223-34-3101 営業時間 11:00~15:00(LO14:30)、17:00~20:00 ※材料がなくなり次第、閉店の場合あり 定休日 火曜(火曜が祝日の場合営業、翌日休み)、月1回不定休あり 駐車場 17台 席数 40席 |
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亘理町でほっき漁が行われるのは2月上旬から4月下旬までの約40日間。宮城県漁業協同組合仙南支所亘理では資源確保のため8cm以上のほっき貝しか獲らない方針で、成長を促すためこの期間だけに限定。稚貝の放流も行っています。4月頃に放卵するほっき貝の成長は1年で約3cm。貝殻には成長を物語る年輪のような模様があります。
現在は7槽の船が従事。漁の期間中は毎朝6時30分頃に出港し、7時頃に漁場に到着。貝桁網(通称マンガ)を手繰り、ほっき貝を収穫し、午後1時頃に帰港します。「プランクトンが豊富な亘理の海で育つほっき貝は成長率が良くて他地域より身が厚いのが特徴だな。流れが落ち着いた場所にいるんだけど、浜に沿って東西、南北など毎年場所は違うからね。上手く獲れるかどうかは船頭の腕と経験次第。」と30年以上ほっき漁に携わっている白井さんは微笑みます。ほっき貝を入れる1カゴに入る量は40個ほど。多い時には1日で30kgを超える水揚げがあるといいます。「海底には震災の瓦礫がまだ残っているけど、大きなほっき貝を獲っていきたいね。新鮮なほっき貝を食べてもらうことが生きがいだよ。」と白井さん。今年も美味しいほっき貝が水揚げできそうです。
幸邦丸 船主 白井 邦夫さん
幸邦丸船主と白井商店店主を務める。1962(昭和37)年8月からマグロ船に乗り始め、漁師として56年以上のキャリアを誇る。独自の研究を重ねるなどほっき貝についても詳しい。「ほっき貝はもちろん、新鮮な魚介類をたくさんの人たちに届けられるのが、この仕事のやりがいだね」と目を細めます。
宮城県漁業協同組合仙南支所亘理 | 住所 亘理町荒浜字築港通り6-22 TEL 0223-35-2111 |
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商工観光課/観光推進班
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